日本ビニル工業会ストレッチフィルム部会では、1990年12月に食品用塩ビラップと環境問題に関するパンフレットを作成いたしましたが、その後塩ビに関して数々の環境にからむ問題が起きました。これらの問題については相変わらず誤解が多いことが分かりましたので、ここでその一部を紹介させていただきます。
当部会では、独自の活動と合わせて関係省庁や各種団体などと協議を重ねつつ、総合的な環境問題と取り組んでいます。これからも一層の努力をしてまいります。
塩ビラップフィルムは食品衛生法に基づき、厚生省告示370号の「食品、添加物の規格基準」に適合する事が定められています。
安全性を裏付ける規格基準には「一般規格」と材質別の「個別規格」があり、「一般規格」にはカドミウム、鉛の材質試験と重金属の溶出試験、過マンガン酸カリウム消費量試験があります。「個別規格」はジブチル錫化合物、クレゾールリン酸エステル、塩化ビニルモノマ−の材質試験と蒸発残留物試験があります。これらの試験に適合することが基本的な品質として要求されています。
また、食品衛生法の趣旨に則し、塩ビ食品衛生協議会が策定したJHP規格(塩化ビニル樹脂製製品等の食品に係る自主基準)に基づき、安全性を確認された原材料を使用しています。
ダイオキシン類は何を燃やしても発生します。
塩素は自然界や食品など、いたるところに存在するため、ダイオキシン類は生ごみ、紙、木、色々なプラスチックなどあらゆるものが不完全燃焼した場合に発生する可能性があります。
しかし、適切な処理を行えばダイオキシン類の発生は大幅に抑えることができます。政府も関係省庁共通パンフレット(注)において『適切な対策や管理を行っている場合には、塩素を含むごみの影響は相対的に少なく、燃焼状態や排ガス処理の状況等の方がダイオキシン類濃度に大きな影響を及ぼすものと考えられ、適切な対策や管理により排出濃度を抑えることができる。』との共通見解を示しています。
(注) 関係省庁共通パンフレット「ダイオキシン類」2009年

さらに詳しい内容については、塩ビ工業・環境協会(VEC)のホームページ
http://www.vec.gr.jp/kankyo/kankyo2_1.html)をご参照ください。

「都市ゴミのプラスチック含有率は約10%です。また、塩ビはプラスチック全体の10%前後。ですから都市ゴミの塩ビ含有率は約1%です。」
(財)日本環境衛生センター調査
(社)プラスチック処理促進協会
塩ビは焼却すると塩化水素が発生しますが、塩ビを含まない都市ゴミを焼却しても塩化水素は発生します。この塩化水素を取り除く方法として、消石灰などが投入され塩化カルシウムとして回収されています。
我が国の自治体に設置されている焼却施設は総て、排ガス処理を行っています。排ガス中の塩化水素濃度は、規制値の1立方メートル当たり700mgを全施設で下まわっています。さらに、最近設置された焼却炉では、10ppm以下になっています。
参考:700mg/立方メートルをppm換算すると430ppmになります。

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